才能ない脳

かわいい自分を演出するためだったのにいつのまにやらゲボの掃き溜め

□男子高校生と腕相撲してコテンパンに負けたい

 にせんじゅうななねんしがついつか、まだなにものかになりたいなんていってる。

 

 自分は何者にもなれなかったなにかになれたと思っているよ、と僕に言ってくれたあの子は本物で、何者かだった。羨ましくおもった。

 自分の気持ちに後出しジャンケンのような注釈をつけることを許してほしい。

 たとえば、この世に二人だけ、それこそ中島みゆきの歌のような話で、話せば話すほどちんぷちゃんなことなのだけど、認めてほしかった、選んでほしかったのだと思う。あの子が認めてくれたら、何者かになれるような気さえしていた。僕の承認欲求が有象無象ではなく、あの子に向いていた、だけのことで。そんな気持ちはない方がいい。叶うことのない欲は自身を傷つける刃になるのだと知っている。

 あの子がいなくなったわけではないけれど、僕にこびりついていた腐った感情は(がんばって)もう切り落とした。恋でも愛でもない、奇跡みたいな欲望、バイバイ。

 

 僕はひとりで完結した人間になりたい。無敵で最強になりたい。友達なんていらない死ね。至高の自己愛とは自己完結だと思う。何者かとかおそらく、そういうことだ。なのに、こんなにも人懐かしさは消えてくれない。

 もう自身の快・不快に他人を巻き込みたくない。